老後の趣味が必要不可欠な時代に
「人間50年、下天のうちをくらぶれば・・・」(敦盛)
織田信長の生きた16世紀は平均寿命が短く、いわゆる(隠居をした)老後という概念自体も希薄であったろうと思います。
現代社会では平均寿命も飛躍的に伸び、なにより人が元気で過ごせる時間が長くなりました。
社会人として働く期間も長くなりつつあります。それでも退職して余暇を過ごす時間が圧倒的に長いのは事実。
今の60代・70代は精神的にも肉体的にもパワフルで活動的ですね。
まだまだ「老後」という言葉がしっくりこないほど気力も充実しています。
それでも仕事がなくなった時には、生きがいや老後の趣味といったものが必要となるでしょう。
リタイアしたら・・・と退職後の生活を長いあいだ夢見て働いた人も多いことでしょう。
- ゴルフ三昧で過ごしたい
- 外国語を習いたい
- 写真撮影の旅行をしたい
- 風景画を描いてみたい
- ダンスに挑戦してみたい
- 日本各地の温泉宿を巡りたい
しかし、多くの老後の趣味のなかでも、とりわけ人気のあるのが、音楽・ピアノ演奏を習いたいという声。
- 他の楽器に比べてピアノは圧倒的に簡単
- 指を動かすことが老化(ボケ)防止に繋がる
- 何歳からはじめても上達・成長を実感できる
老後の趣味にピアノが人気な理由
ご近所のカルチャーセンターの案内チラシを見てみると様々な習い事が催されていることがわかります。そのなかでやっぱり人気が高いのが音楽ですね。
- 合唱
- 歌(カラオケ)
- ギター
- ベース
- サックス
- ピアノ
数ある音楽系の習い事で人気があるものと、不人気なものを見分けるのは簡単。開催されている講座数が多く、どこの教室でも習えるピアノレッスンがダントツの人気を誇っています。
では、なぜ老後の趣味にピアノレッスンが人気なの?
- 突然ピアノが弾けるようになることはない
- ピアノに若い頃からあこがれを抱いていた
一つ目の「突然ピアノが弾けるようにならない」というのは少し説明が必要かもしれません。
「歌をうたう」ことは、持って生まれた声の質や音感によって、特別な練習をしなくても上手な人が多くいます。しかしピアノは、練習をしないで上手に弾けるようになるとは誰も思っていません。よどみなくサラッと弾いているようでも、絶え間なくピアノの練習をしていることを、誰でも簡単に想像することができます。
逆にいうと、ピアノは経験者のアドバンテージが非常に大きいということです。
練習さえすれば、誰でも未経験者に驚かれるくらいのピアノ演奏ができてしまう!これこそ老後の趣味にピアノがダントツに人気のある理由なのです。
ピアノは他の楽器に比べて簡単!
始めるまでは敷居の高い印象のピアノレッスン。
しかし、実際にやってみると他の楽器に比べて難しくないことが分かります。
- 初心者でも正確な音が出せる
- 音階が左から右に並び視覚的に捉えることが可能
- 楽譜や教材が豊富にある
- 一人で伴奏とメロディーの両方を演奏できる
- ヘッドフォンの利用で夜中でも練習できる
ギター・三味線・バイオリンなどの弦楽器を経験したことのある人であれば、音を正確に出すことが意外に難しいことを知っているでしょう。左手で音の高低を決定する場所を押さえつつ、右手で弦を弾いたり・こすったりする二つの動作を同時にする必要があります。(右利きの場合)
また、苦労して出した音が音程として合っているのかどうかは、それなりに耳の訓練をつんだ人でないと聞き分けることができないのが残念です。サックス・クラリネット・トランペット・フルートなどの管楽器は、音程よりも先に「音を出す事」自体が難しくなりますね。
ピアノ、とりわけ電子ピアノであれば正確な音を奏でることは、指一本があれば事足ります。
ピアノが弾けるようになるとどんなことが起こるのか?下の動画をご覧ください。
演奏することで老化を予防
老後の趣味でピアノを始める理由として老化防止を挙げる方も少なくありません。
- 低カロリー・高淡白でバランスのとれた食事
- ウォーキングなどの適度な運動
- 読書や暗算などで頭を使う習慣
上に挙げた三つの要素はアンチエイジング(老化防止)に効果が高いとされています。とくに認知症(ボケ)の防止には、3つ目に挙げた頭を使う習慣が重要ですね。
ピアノ演奏は指を使うトレーニングがメイン。脳の発する命令通り、スムーズに指が動くようになるのが上達につながります。
人によってはちょっと面倒に感じてしまう、読書・暗算・クロスワードパズル・数独などの頭を使うトレーニングよりも、ピアノ演奏であれば楽しんで習慣化することができます。加えて、指を動かすトレーニングも同時に行えるので一石二鳥と言ってもよいでしょう。
ボケ防止のための指体操があります。下の動画を参照。
ただ、上手にできるようになっても、あんまり尊敬されなそうですね。
一人でも演奏でき・長く続けられる
老後の趣味としてピアノを初めて良かった!という意見で、とくに目立つものがあります。
それがこの歳になっても成長・上達を実感できる!という意見。
これは何よりの喜びですね。
老後に楽しむ他の趣味としては、
- ゴルフ
- テニス
- ゲートボール
- 将棋
- 囲碁
- コーラス
- ダンス
などがあります。しかし、どれも独りでは練習できない・楽しめないものが多く。「やればやるほど上達する」という喜びを得られにくいのが残念です。
他のスポーツやゲーム、また楽器などと違い、一人で練習し演奏することができるのがピアノの大きな魅力でもあります。
また、ピアノと教材を買い揃えてしまえば、その後は「ピアノはそれほどお金がかからないので長く続けられる」という嬉しい意見も多く聞かれます。
ピアノ上達の秘訣
ピアノの上手な演奏に触れると、「あ〜、この人ものすごく練習したんだろうな!」って思いますよね。
そう、私たちはピアノ上達の秘訣は練習あるのみであることを、十分に知っています。
しかし、いざ自分がピアノを上達したいと思ったとき、なぜか「あっという間に上達する方法」を探してしまったりします。そんなことより地道な練習のほうがよっぽどあなたのピアノを上達させます。
とはいえ、効率よく練習する方法は存在します。
ピアノに触れる頻度を増やす
- 3日に一度まとめて練習するより、毎日少しずつでも練習する
- 1日に一度まとめて練習するより、何度でもピアノに触れるようにする
「習うより慣れろ」という諺がピッタリです。
ピアノに触れる頻度を増やせば増やすほど、ピアノの上達は加速します。
ただ、「言うは易し行うは難し」でもあります。
ピアノの練習を日常の習慣にしてしまうことが大切ですね。
- 食事前には必ずピアノを練習する
- トイレにいく前にチョットでもピアノに触れる
こんな風に、生理現象とセットで習慣に取り入れることができると上達が早いです。
人前で発表する機会をつくる
練習をするためのモチベーションづくりに、ピアノ演奏を発表する機会をつくるのも効果があります。
- 家族の誕生日にピアノ演奏
- 友人同士での発表会
- クラブなどで仲間をつくって定期演奏会
だれでも人前で恥をかくことは抵抗がありますね。だから必死で練習します。
演奏する日程が決まっていると、練習の集中力も高まるので飛躍的に上達します。
さきにお金を払ってしまう
私は基本的にケチなので、この方法が最も効果的です。(笑)
本気で取り組むために、あえて先にお金を払ってしまいます。これは、痛くも痒くもない金額だと意味がなくて、少々痛みを感じるくらいの値段のものだと必死になります。
- レッスンを前払いで支払ってしまう
- ちょっと高いピアノを購入する
- ピアノレッスンのDVDを購入する
食べ放題(バイキング形式の食事)などでは「元をとってやろう」って必死になりますよね。その心理を利用しています。