退職(リタイア)は人生の転機だ!
長い会社勤めもそろそろゴールが見えてきた?
私には、50代前半から「オレ、もうすぐ定年だから・・」というのが口癖になっていた同僚がいました。
彼にはまだ、10年ぐらいサラリーマン生活が残っていた。
しかし、退職後の生活に思いを馳せるのは、会社勤めにとって楽しい時間。
これまで、やりたくてもできなかったことを、思いっきり楽しむことができるチャンスです。
会社では自虐的に「オレも、そろそろ潮時だから・・・」なんて言っていても。
本当は内心、人生の潮目が変わることにワクワクしていることでしょう。
退職後にやりたいことは沢山思いつくでしょう。
若い頃は「時間があるけどお金がなくてできなかった」ことにも大いに取り組める。
- 子供も成長して手がかからなくなった
- 住宅ローンの返済は退職金でめどが立つ
- 通勤電車に揺られる時間と苦痛から解放される
- 会社内の人間関係を気にする必要がなくなる
退職後の生活は、まさに人生の一大転機と言っていいでしょう。
これまで、やりたくてもやれなかったこと、ピアノ演奏にも本腰を入れて始めることができます。
ピアノ上達は練習時間に比例する。時間がある人ほど有利。
退職後の趣味にピアノがぴったりな理由はいくつかあります。
理由の一つはピアノの上達が、練習時間に比例するということ。
練習をすればするほどピアノが上手くなるということ。
退職後に自分の時間を確保できるのは、ピアノが上達するうえで欠かせないことです。
練習しないでピアノ上手な人を私は知りません。
また、どんなに有名で、いい先生にピアノを教わっても、自分で練習をしなければ決して上達することはありません。
たとえ何歳になっても、うまく出来るようになったり、自分の成長を実感できることは貴重な体験です。
これまで社会人として仕事をするなかで、成長を実感するのが至福の時間と感じたことは多いでしょう。
- 昨日できなかったことができるようになる
- 昨年実績を上回ることができた
- 過去の仕事が社内で評価される
こんな体験をされた方は、決して少なくないはず。
小さなことでも、成功体験・成長する実感が、生きていくうえでなによりも嬉しい事です。
毎日、ピアノ練習をすると、必ず日々の成長を実感する瞬間が訪れます。
その成長が、さらにピアノ練習のモチベーションを高めてくれます。
練習し、上達し、成長を実感し、また練習する。
このピアノ上達のスパイラル・成長サイクルを知っている人が、グンと伸びる人なのです。
大人というアドバンテージをピアノに生かす
退職後にピアノを始めたいという人のなかに、「今から始めても、たいして上手くならない」と尻込みする人がいます。
たしかに、プロのピアノ演奏家になることが目的であれば、その目標は叶わないでしょう。
しかし、そんなことが退職後にピアノを始める動機ではないはず・・。
自分の好きな曲を楽しく弾けるようになれば、とりあえず満足なのでは?
小さな子供がピアノを始める時には、お作法が大切ですね。
- なるべく小さいうちから始めたほうが良い
- 運指にへんな癖がつかないようにキチンと先生に教わる
- 楽譜が読めるようになるように教える
- 簡単な楽譜から階段を登るようにステップアップする
これは、ピアノを習う全ての子供に無限の可能性があるからしていること。100人にひとりでもプロの演奏家になる子供がでれば、親も先生も苦労が報われます。
でも、退職後に趣味として始めるピアノに、それらのことは必要ありません。
もちろんヘンな癖はつかない方がいいし、楽譜も読めたほうがいいでしょう。
でも、初歩の基礎練習がどれだけピアノをつまらないものにしてしまうのか、大人であれば、よく知っていますね。
退職後に始めるピアノは、一直線にやりたいことをやればいいのです!
細かな技術は、ピアノが上達するにつれて徐々に身につきます。
まずはピアノが楽しくなることが先で、憧れる曲をサッと弾けるようになって。
人前で演奏することでピアノを褒められる。これでピアノがより好きになるし、練習にも熱が入るので結果的に上達します。
また、子供が初めてピアノに触れる時と、大人がピアノを始めるときに違うことは他にもあります。
- 楽譜は読めなくても、ドレミなど音階という概念を知っている
- 練習することで上達することを体験的に知っている
- 練習する曲(旋律)を知っている
- 自分の集中力の高め方を知っている
子どもと違って、大人から始めるピアノにはアドバンテージとなるメリットがたくさんあるのです。
退職後の自由は時間ではない
最近、小学校で行われたピアノの演奏会に出かけました。
そこには、プロのピアニストが登場して、全校生徒を前にして颯爽とリストを弾きこなしました。
それは、とっても素敵な演奏でしたが、私が感動したのは、むしろその後。
ピアノ演奏のお礼に、という意味合いで全校生徒による校歌斉唱が体育館いっぱいに響きわたります。
声をそろえて力いっぱい歌う子供たちの大きな歌声に胸が一杯になったのは私だけではありませんでした。
ちょっと話が脇道にそれました。
なにが言いたいのかというと、校歌斉唱のときは学校の音楽の先生がピアノを弾くのです。
プロのピアニストを前にして、学校の先生は、さぞ弾きにくいだろうなと邪推してしまいます。
私なら、もう心臓バクバクでしょう・・・。
でも、一定以上の腕前があるとピアノの上手さの違いは分かりにくい。
さらに言えば、プロピアニストが弾くリストよりも、学校の先生が弾く校歌の方が多くの感動を呼ぶという事実。
こんな体験を身近にしました。ピアノは弾けるだけでスゴイのです。
ピアノを始める前から、「上手くならないかも・・」と思う人がいるかもしれません。
でも、社会人の頃と違って、退職後に始めるピアノは成果が出なくても迷惑をかける人がいません。
仕事をリタイアしてみて、たしかに時間やお金が自由になったかもしれません。
なかなか気づきにくいのですが、もっと大きな自由は義務や責任からの解放だと言えます。
ピアノをやってみて、もしイヤになってしまったり、「自分には合わない」と感じるようなら、やめてしまう自由があなたにはあるのです。
あなたがピアノを辞めることで迷惑をかける人も、怒る人もいないのですから・・・。